家族の絆の会 会長
戦後、法律が変わり、力強くなったのが女性と靴下ともいわれます。男がだらしなくなったからなのか、ニワトリが先か卵が先かという議論になりますが、時代は変わりました。知るは地獄、知らぬが仏とは、昔の人はよく言ったものです。
男性としての自覚、今の世の中、何を信じてよいかわからないのが現実であります。
父権の確立、男の値打ちが戦前と比較して弱くなったといわれてから久しくなります。この世に存在するものは、すべて陰と陽とで成り立っていますが、その原理をもう一度見直す時期にきているのではないでしょうか。
今回は、関弘先生を迎えて行われた男の勉強会より、講義の中で教えていただいた大切な指導、訓辞と、一般の老夫婦の息子夫婦の金銭にかかわる相談に対する回答を紹介いたします。
皆様の生活に少しでも参考になり、お役に立てれば幸いです。
老夫婦の年金生活です。息子夫婦が借金を重ねて、私たちのところに何度も金策に来ました。以前「もう大人なんだから出さなくてよい」と教えられましたが、<人様に迷惑をかけるよりはいい>と、二、三度お金を出してやりました。私たちの貯金も底をついてしまいます。
これからどうしたらよいのか、アドバイスをお願いします。
――息子さんの借金に悩まされている方からの相談です。「これで最後よ」と説教しながらも、お金を渡していた。いよいよ困って手紙をくださったんでしょう。 つつましい年金生活で、つらいでしょうね。
――以前、「大人なんだから出さなくてよい」と教えられたとのことです。そう思います。もちろん、なぜこれだけの借金を抱えてしまったのかチェックする必要はあるでしょう。 「カニは甲羅に似せて穴を掘る」という喩えがありますが、収入の範囲で生活をまかなえば、借金するはずがないんですよね。 なぜ借金がかさんだのか、身分相応の生活をしていたのかどうかよく聞いて、改善できるところがあれば、親から働きかけて改善していくということは必要でしょう。
そうして、打つ手は打ったうえで、やはりお金は出すべきではないと思います。ずるずるお金を渡しても、長い目で見れば、決してプラスにならないですよ。親の背中を見て育つ孫の代にも影響しかねない。毅然とはねつけるけじめも、親の愛情だと思います。 ただ、そのときに、〈最後の最後は親として子供を救ってやる〉という覚悟は持ってほしい。もし命に関わってくるような状態になったら、親として、身ぐるみはがされても助けてやるという肚(はら)は決めた上で、毅然と断るべきでしょう。
そういう肚のくくりができたときに、見事に子供が変わって、立ち直っていくというケースがあります。親の強い気持ちが子供に伝わるものなんですね。
――この方自身が今やるべきことはなんでしょうか。ご主人と気持ちが一つになっているのかどうかが気になります。息子さんの借金についても、ご主人がどう考えているのか、お手紙にはあまり触れられていませんでした。まずは自分自身の足許をチェックしてみる必要があると思います。
また、自分たち夫婦に、お金の面ではなくても、ルーズな面がなかったかどうか、振り返ってみてほしいと思います。
子供は、親の心を実演してみせるものです。〈お金さえあれば〉という執着が強すぎると、子供がせっせと浪費してしまうというケースもあります。〈子供に自分たちの姿が投影しているのかもしれない〉と捉えて、思い当たるところは反省し、改めていくことでしょう。
――子供とはいえ、すでに所帯をもった大人です。それでも、子供は親の心を反映するものなのですか。一般的には、「成人式を過ぎたら親の役目は終わった」とか、「所帯をもったらもういいわ」となるんだけど、でも、親子の絆はいくつになっても切れないものですよ。
現に、八十歳になっても、五十−、六十の娘や息子のことで悩んでいる人がいっぱいいる。十五で元服していた時代を考えると、今は人生八十年ですから。それだけ世の中全体が幼稚になっているというか、間伸びした竹みたいに足腰が弱ってる部分があるのかもしれない。
「親が変われば子が変わる」ということを「親子相関」と言いますが、それは子供が小さいときだけの話じゃありません。七十になっても八十になっても、「子供が悪い」「子供を変えよう」という前に、自分の生活を振り返るということが大切なんですね。
自分自身をじっと振り返ってみたときに、ルーズな一面に思い当たるかもしれないし、〈息子を甘やかして育ててしまった〉という反省がわいてくるかもしれない。要は、そこからどう転換するかです。過去を悔いるためではなく、明るい未来を開いていくための反省です。
過去と人は変えられないけれど、未来と自分は変えられるもの。息子夫婦を変えようとするのではなく、自らが変わろうとすることで、今の状況を好転させていってほしいと願います。いくつになっても親子は親子ですよ。
手紙での相談に答える場合、対面での場合と違って、疑問点を問い直すことができません。息子さんをどんなふうに育ててきたのか。
ご主人がこの件についてどう言っているのか。そもそも、どうして借金をするようになったのか。そのあたりを改めて聞いてみたいところですが、手紙の文面から、推量でお答えしたことをご了解ください。
こうした誌上での相談には、相談者への回答であると同時に、広く読者へ向けて発信するという側面もあります。似たような悩みを持つ方には、「親子の相関関係はいくつになっても当てはまる」と、ぜひ心に留めてほしいと思います。(関 弘)
1.天職に向かって ただまっしぐらに わき目もふらず 努力しよう。 2.妻女房に露ばかりも不満を言わず、思わず 妻あっての我が命と 感謝の念を温めることにしよう。 3.これから一切 家のことは 財産も装飾も交際も教育も 妻女房に託し 深い愛情と信頼と厚い同感をもって 一つになるよう毎日努力しよう。 4.妻女房の心中をよく聞いてあげよう。 5.いらぬ差し出口をださず 妻のすることは自由にまかせよう。
これらを実行・実践する。 男の魅力は機関車のごとく、 その時、その場、精一杯に出し惜しみしない。 どんなときにも太陽のような明るさの中で働ききるとき、 男の値打ちが発揮される。