家族の絆 第4号

豊かに生きる知恵(1)

家族の絆の会 会長
国嶋久善

今回は人生を豊かにする考え方、価値観についてお話しすることで、皆様の幸せの一助となればと思います。

人間には欲があって、人生のステージによって支配的な願望も変遷します。生まれたときからある食欲などは生命の維持に直結する重要な欲であります。ただ、胃袋に限界があるように、これらの基礎的な欲求はある程度満たされれば、すやすやと安楽に眠る赤ちゃんのようにそれ以上を求めることはありません。明日のことを憂うこともなく、その瞬間が充足されていれば満足であります。

赤ちゃんには、動物と同様に生命維持本能しかありませんが、人間は成長とともに思考能力が育ち、それに従って欲求も目の前の食べ物から、観念の世界に広がっていきます。

思春期には性欲が目覚めます。これは本来は、子孫繁栄のための重要な欲求ですが、知能が進化してくると、どんどん膨らんでしまいます。異常に発達した性欲といえば、変態的なものを連想するかもしれませんが、実は多くの「正常」な人があこがれている理想の恋愛というのもその一つです。性欲を人間の想像力で美化しているだけなのです。

恋愛というものは人生で最も甘美なものかもしれません。古来の日本人は、古事記や万葉集に見られるように、それを率直に表現していました。言葉の語源を考えても、古代の日本には相手を乞う、ほしがるという意味の「恋」という概念はあっても、愛という概念はなかったのかもしれません。生殖のために求め合うという男女の激しい情熱を、素直におおらかに捉えていました。

それが、キリスト教の永遠の愛とか、白馬の王子様にお姫様といった理想の恋愛、ロマンティックな恋愛という西洋の考え方の影響もあって、恋と愛がぐちゃぐちゃに混同されるようになってしまいました。 (次号へ)

人間関係の破局を予言する29と300回のヒヤリ・ハット!
家庭内の人間関係とハインリッヒの法則

1回の重傷事故の背後には、29の軽い事故があり、さらにその裏側には三〇〇のヒヤリ・ハットがある、というのがハインリッヒの法則(1:29:300の法則)です。労働災害の事例から統計的に出された数字ですが、これは交通安全や、日常の様々な失敗を予防するための教訓としても活用できます。

この法則を家庭内の人間関係、親子関係や夫婦関係にも当てはめてみると新しい発見があるかもしれません。

夫婦関係のヒヤリ・ハット

夫婦関係の重大事故といえば離婚でしょうが、通常、一つだけの原因で突然に離婚ということは考えられません。その背景には29回の大きな口論と300回の口には出さないけれど感情的な衝突があったのでは?と問われれば、そうだったかもしれないと思えてきます。

労災予防では、300回のヒヤリ・ハットを洗い出し、潜在的な危険を認識して、その小さな問題を排除することが29回の軽い事故を予防し、1回の重大事故を予防することになります。

夫婦間のヒヤリ・ハットとは何でしょうか。相手のことを「嫌だなあ」と思ったり、「許せない」と感じることがあると思います。「ものの感じ方が違う」とか「価値観が違う」と思って、どうしてこの人と結婚したのだろうかと後悔することもあります。これらの小さな不満だけで離婚に踏み切る人は少ないでしょう。こうした小さな不満の土壌の上に、「夫が生活資金を入れない」とか「妻が無駄使いする」といった経済的な問題、性的な不一致、義理の両親との関係が絶縁状態などの、そもそもの結婚生活の基盤自体が無意味になるような深刻な問題が29回発生した頃に、「もうこの人とは一緒にやっていけない」と別れを決心するのではないでしょうか。そして亭主の定年を待って、話を持ち出すということになるのでしょう。

潜在的な危険を察知する能力

労災防止では、職場での軽微なヒヤリ・ハットを、事故にならなかったから問題ないとして見過ごすのではなく、重大な事故の前兆として受け止め、ヒヤリとしたこと、ハットしたことを、二度と繰り返さないように職場の中で注意喚起する努力が重要です。つまり、その前提として最も大事なのは、ヒヤリした、ハットしたという「気付き」であり、感覚を鋭くするということになります。ヒヤリもハットも感じないのでは予防しようがありません。夫婦関係を良好に保つためには、まずお互いのことに無関心であってはならず、あうんの呼吸が成り立っているご夫妻は別にしても、会話のない夫婦では、いつか来る破局が水面下で進行していると警戒すべきでしょう。
あと1回で300回を迎えそうなときでも、普段なにもしてくれない夫が家事を手伝ってくれたなどという些細なことが不満を1つ消してくれるかもしれません。お互いに不満が積もるのは仕方ないことですが、ちょっとした心配りで不満の山が雨に流されていくのです。致命的な高さに積もる前に何とかしましょう。

大切な日常点検

一方、親子関係の重大事故といえば、昔は考えられなかったような、自宅に放火するとか、親子間での殺傷事件といった悲惨な事件が、最近は毎日のように報道されています。事件発生はある日突然に違いありませんが、一日にして突然子供が変化するはずはなく、その前段階として子供の心の中ではいろいろなことが積み重なっていたはずなのです。

子供たちとの日常の会話の中で、ほんのちょっとしたことでも何か普段と違うことがないか、相手の気持ちの動きに敏感になっていれば、防げたことではないかと思います。「たいしたことではない」と聞き流したり、無視すれば、その場は何事もなかったかのように過ごせるかもしれません。しかし、いつか小さな感情の行き違いが飽和し、許容範囲を超えれば爆発します。

毎日のヒヤリ・ハットを見逃さないで、円満な家庭生活を送られることをお祈りします。

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今回の記事は、NEC Wisdom News (2006年6月19日)を参考にさせていただきました。
参照URL http://www.blwisdom.com/

個性心理学を提唱する弦本將裕氏は、人間の個性を動物のキャラクターに当てはめ、思考パターンや行動パターン・心理ベクトルなど考え方や価値観の違いなどを考慮して相手と接することで円滑な人間関係が構築できるとしています。興味がある方は、下記ホームページで個性診断ができますので、お試しください。
http://www.charanavi.com/

【良書紹介】

作家の佐藤愛子さんは、51歳のとき、北海道に避暑用の別荘を建てました。それ以来、屋根の上を歩く音がしたり、家の中の物が勝手に移動していたり、電気製品が頻繁に故障するといったポルターガイスト現象を経験するようになります。サトウハチローを兄にもち、波乱と苦闘の人生を強く生きてきた佐藤さんは、いわゆるオカルト好きで何でも幽霊のせいにするような人ではありません。実在する人や物が原因ならばいくらでも対処する方法がある。しかし、この自分ではどうしようもない現象に「初めて怖さを覚えた」といいます。

何人かの霊能者に相談した結果、この不思議な現象の背景には、動物霊、別荘を建てた土地を奪われたアイヌ民族の怨念、佐藤家先祖代々のカルマなどが複雑にからみあっていたことが解明されていきます。そして、なんと最終的な解決まで30年近くも要することになったというのです。この苦闘の記録を、科学文明にどっぷりと浸かってしまっているわれわれ現代人に、肉体的な死がすべての終わりではないことを伝える材料として提供したいという内容が、佐藤愛子著『私の遺言』新潮文庫です。

われわれはよく、どうしようもない不幸に遭遇すると、神仏を恨みます。あるいは、神も仏もいないのだと思ってしまいます。逆に、入試や就職、結婚などのときには、少しでも良い条件をと神仏を拝みます。しかし、本当に神霊の世界を知るということは、そうしたご都合主義とは全然別物だということです。幸も不幸も魂の成長のための必然的な経験として受け止めるという謙虚さが真髄であります。

明治以降、日本人は身近な世界にいた神々を忘れ、物質文明の追求だけに邁進してきました。公害やそれによる新しい病気など、科学文明の弊害に気付き始めたのはここ数十年のことです。今はまだ、かろうじて社会が成り立っています。しかし、ごみ問題・エネルギー問題ひとつ取ってみても、今の社会の仕組みが永続するものではないことは、誰でも分かることです。

佐藤さんが30年におよぶ超常現象との戦いの過程で知己を得た中に、今やテレビで有名なスピリチュアルカウンセラーの江原啓之氏がいます。この二人の対談が『あの世の話』文春文庫として出版されていますが、そこから江原氏の言葉を引用します。

「最終的には、この世の中がどうなればいいかということを考えますと、物質主義的価値観からいかに遠のいていけるかということが大事です。物質的価値観のもとでは、自分というものが肉であるとするならば、自分以外は他であることになります。他であるということは、人のものを取ってでも自分のものを得ていきたいという考え方につながっていく。それを、やはり霊的価値観に移しかえるということが、ほんとうに世の中を幸せにする、また、自分自身を幸せにする道だというふうに、私は考えます。そこまでたどりつかなければ、やはりこの世の中には争いは一切なくならないということだと思うんです」

また、週刊現代2006年9月2日号の対談では、今の日本人は生ける死体「ゾンビ」のような状態で、波動が下がりきったこの国が向かう先に待っているのは戦争しかないと断言しています。

実際に、北朝鮮の核実験など、いまにも戦争に巻き込まれそうな状況です。戦争で利益を得ようとする人々がいる限り、戦争は惹き起こされます。戦争が起きてから、神仏にすがっても遅いでしょう。神仏を恨んでも仕方ないのです。戦争にならないように心の波動を高めていくか、もし起きてしまった場合には、その悲劇を魂の修行として受け止める勇気をもつしかありません。

発行 家族の絆の会 印旛村舞姫2-2 C-103 電話0476-98-3747・FAX 050-7538-9707
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